DJI Matrice 4Dシリーズが第二種型式認証を取得|飛行許可・承認申請の簡略化と業務活用のメリット
こんにちは。セキド産業用ドローン担当の熊谷です。
この度DJIから、Matrice 4Dシリーズの2機種が「第二種型式認証」を取得したと発表されました。DJI製ドローンではMini 4 Proに続くもので、測量・点検・災害対応などに活用されるDJI Enterprise製品としては初の取得となります。
国が定める制度に基づく第二種型式認証を取得したことで、Matrice 4Dシリーズは、ドローンの業務運用において以下のようなメリットが期待できます。
- ●飛行許可・承認申請の簡略化
- ●安全性・均一性が国土交通省から確認された機体であると証明ができること
本記事では、この2点を中心に、Matrice 4Dシリーズの第二種型式認証取得による業務運用上のメリットを解説します。
対象機種:DJI Matrice 4D/Matrice 4TDとは
DJI Matrice 4Dシリーズは、測量業務に対応する「DJI Matrice 4D」と、赤外線カメラを搭載し、点検・災害対応に活用できる「DJI Matrice 4TD」の2機種です。

いずれも小型ながら、最大54分の飛行時間とIP55の保護等級に対応しており、屋外の業務現場でも運用しやすい設計です。
Matrice 4Dシリーズの詳細は下記コンテンツをご確認ください。
DJI Dock 3&Matrice 4Dシリーズ 発表!ドローンの遠隔運用が「より高機能に」なりました
型式認証とは?機体認証との違い
型式認証のメリットを正しく理解するには、先に「機体認証」との違いを押さえておく必要があります。
「機体認証」は、特定飛行を行う無人航空機について、1機ごとに強度・構造・性能などを検査し、安全基準への適合を確認する制度です。
イメージとしては、自動車における「車検」に近いものです。使用者が保有する機体ごとに検査を受けるため、すべての機体を個別に確認するには時間や手間がかかります。
そこで関係してくるのが「型式認証」です。
「型式認証」とは、メーカーなどが設計・製造する量産機を対象として、国土交通大臣や登録検査機関が安全性と均一性を審査する制度です。
主な審査基準は、国土交通省のガイドラインに基づいています。
安全基準:設計に対する審査
安全基準では、機体の強度、構造、性能などが特定飛行に対応できるかを確認します。
主な確認項目は以下の通りです。
- ●基本性能:安定した飛行制御、指定された飛行高度・速度での飛行性能
- ●構造と強度:飛行中に破損・脱落しない構造的な強度、耐環境性
- ●安全機能:衝突防止機能、ロストリンク時のフェールセーフ機能、強制停止装置
均一性基準:製造過程に対する審査
均一性基準では、認証を受けた設計通りに量産できる品質管理体制が整っているかを確認します。
主な確認項目は以下の通りです。
- ●製造管理:部品検査、組み立て工程の品質維持、出荷時の性能検査
この基準を満たして型式認証を受けた型式の無人航空機は、使用者が機体認証を受ける際に、検査の全部または一部が省略されます。
同様の考え方は、乗用車や有人航空機などでも用いられています。いずれも、国が定める基準に基づき、設計や製造体制が確認されたものだけが認証を受ける仕組みです。

メリット1:飛行許可・承認申請の簡略化につながる
型式認証・機体認証には「第一種」と「第二種」がある
型式認証と機体認証には、それぞれ「第一種」と「第二種」があります。
第一種型式認証・第一種機体認証はカテゴリーⅢ飛行に、第二種型式認証・第二種機体認証はカテゴリーⅡ飛行に対応する制度です。
今回Matrice 4Dシリーズは、DJI Enterprise製品として初めて第二種型式認証を取得した機種であり、測量・点検・災害対応などで活用されるDJI製産業用ドローンです。
申請省略には「機体認証」と「技能証明」の組み合わせが必要
ここで重要なのは、型式認証を取得した機体であっても、それだけで飛行許可・承認申請が不要になるわけではないという点です。
飛行許可・承認申請の省略に関係するのは、主に「機体認証を取得した機体」と「技能証明を取得した操縦者」の組み合わせです。
第二種機体認証を取得した機体と、二等無人航空機操縦士技能証明を取得した操縦者の組み合わせでは、カテゴリーⅡ飛行の一部において、飛行許可・承認申請を省略できる場合があります。
省略対象となる主な飛行は、以下の通りです。
・人口集中地区上空の飛行
・人または物件から30m以上の距離を確保できない飛行
・夜間飛行
・目視外飛行
ただし、夜間飛行や目視外飛行については、技能証明の限定解除など、飛行内容に応じた条件を満たす必要があります。

申請が必要な場合でも、書類作成の負担軽減につながる
また、飛行許可・承認申請が必要な場合でも、機体認証を取得した機体であれば、申請時の機体情報入力や安全性に関する説明の負担軽減が期待できます。
このように、型式認証と機体認証は、飛行許可・承認申請の省略や申請書類の整理に関わる重要な制度です。
レベル3 / レベル3.5飛行など、高度な運用にも関係する
加えて、レベル3 / レベル3.5飛行など、より高度な運用を検討する際にも、認証機体であることは申請書類や安全性説明を整理するうえで有効な材料になります。
レベル3 / レベル3.5飛行を行う場合は、飛行ルート、第三者の立入管理、安全対策、緊急時の対応など、運航内容に応じた確認が必要です。
機体認証を取得した機体であれば、機体の安全性に関する説明を整理しやすくなり、申請書類作成時の負担軽減につながります。
レベル3/レベル3.5飛行の概要については、下記の関連コンテンツもご参照ください。
新設されたドローンのレベル3.5飛行とは?メリットをわかりやすく解説します
申請を省略できる場合でも、必要な手続きは残る
なお、飛行許可・承認申請を省略できる場合でも、機体登録、飛行計画の通報、飛行日誌の作成など、特定飛行に必要な手続きは引き続き必要です。
自社の飛行内容で飛行許可・承認申請を省略できるかは、機体認証、操縦者の技能証明、飛行場所、飛行方法によって異なります。国土交通省の「飛行カテゴリー決定のフロー図」もご確認ください。
Matrice 4Dシリーズの導入や運用条件の確認は、セキドまでご相談ください。
メリット2:安全性・均一性が確認された機体として説明しやすい
型式認証制度では、機体の強度・構造・性能だけでなく、安全な運用に関わる複数の要件が確認されます。
その中には、サイバーセキュリティに関する審査要件も含まれています。具体的には、無人航空機の安全性に悪影響を及ぼす、意図的かつ許可されていない電子的な干渉から保護されることが求められます。
つまり、型式認証を取得した機体は、国が定める安全基準・均一性基準に基づく確認を受けているため、企業・自治体が導入を検討する際の判断材料になります。

特に、公共インフラ点検、災害対応、防災用途、施設警備、遠隔運用などでは、機体の性能だけでなく、安全性や運用体制を説明できることが重要です。
Matrice 4Dシリーズが第二種型式認証を取得したことは、こうした業務用途で導入を検討する際に、関係者へ説明しやすい要素の1つになります。
加えて、DJI製ドローンでは、データセキュリティや安全な運用に向けた各種機能・設定も用意されています。
詳細は、下記のスペシャルコンテンツをご参照ください。
DJIドローンは危険なのか?データセキュリティについて真実を徹底解説
第二種型式認証取得済みのMatrice 4Dシリーズはいつ購入できる?
第二種型式認証に対応したMatrice 4Dシリーズの販売開始時期は、2026年8月末頃を予定しています。
既に所有しているMatrice 4Dシリーズでも機体認証を取得できる?
既にDJI Matrice 4Dシリーズをお持ちの方でも、所定の手続きを行うことで、機体認証を申請できる場合があります。
メーカーが発行する「無人航空機同一性証明書」および「無人航空機適合確認書」を国土交通省に提出することで、型式認証後に製造された機体と同様に、機体認証を申請できる場合があります。
この手続きを希望する場合は、DJI JAPAN株式会社 カスタマーセンターへお問い合わせのうえ、案内に沿って機体をお送りください。
なお、このサービスは2026年8月3日(月)開始予定です。

既存機体での機体認証取得や、Matrice 4Dシリーズの導入を検討している方は、セキドまでお問い合わせください。
まとめ:Matrice 4Dシリーズの型式認証取得は、業務導入の判断材料になる
今回のMatrice 4Dシリーズの第二種型式認証取得は、ドローンの業務運用における申請手続きや導入判断の負担軽減につながる重要なトピックです。
機体認証と技能証明の条件を満たすことで、対象となるカテゴリーⅡ飛行では、飛行許可・承認申請を省略できる場合があります。
また、飛行許可・承認申請が必要な場合でも、機体認証を取得した機体であれば、申請時の機体情報入力や安全性に関する説明の負担軽減が期待できます。
さらに、レベル3 / レベル3.5飛行など、より高度な運用を検討する際にも、認証機体であることは申請書類や安全性説明を整理するうえで有効な材料になります。
企業・自治体がドローン導入を検討する際にも、国が定める基準に基づき型式認証を取得した機体であることは、関係者への説明や導入判断の材料になります。
Matrice 4Dシリーズの導入、DJI Dock 3との組み合わせ、機体認証・国家資格を踏まえた運用設計については、セキドまでご相談ください。

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