空撮の革命、待望の DJI Mavic 4 Pro をレビューします!
皆さんこんにちは。セキドの平田です。
空撮用ドローンで最高峰モデルの DJI Mavic 3シリーズが登場して3年半、待望の DJI Mavic 4 Pro が2025年5月13日に満を持して発売となりました。
発表される度にドローン業界の常識を覆してきた Mavicシリーズですが、今回登場したモデルは一体どの様な進化を遂げたのでしょうか。本記事では全ドローンユーザーが関心を寄せる Mavic 4 Pro の実機レビューと進化ポイントについて、紹介していきます。



DJI Mavicシリーズとは
Mavicシリーズは、卓越したカメラ性能と飛行性能を兼ね備え、DJIカメラドローンの中でもフラッグシップモデルとして圧倒的な人気を誇るドローンです。今回登場の Mavic 4 Pro も前作までと同様に Hasselblad のメインカメラを搭載しており、画素数はついに1億画素という大台に到達しています。
Hasselbladのメインカメラを含め、どのような進化を遂げたのかが気になる Mavicユーザーも多いはず。今回は前作 Mavic 3 Pro と比較をしながら、カメラスペックを中心に紹介をします。

Mavic 3 Pro からのカメラスペック進化
まずは、Mavic 4 Pro と Mavic 3 Pro の望遠カメラを使った、それぞれの映像をご用意しました。被写体を真ん中に捉えつつ、被写体を真ん中に捉えつつ、周囲360°から撮影しています。
Mavic 4 Pro の場合、電子ズームを使って撮影しても解像感のある映像が撮影できるようになったため、細部まで表現できています。大きな違いとして服の素材感や髪の質感、背景の草の立体感などが挙げられます。
1. 広角カメラ(28mm)
メインの Hasselbladカメラはマイクロフォーサーズセンサーを維持したまま、画素数が2000万画素から1億画素へと大幅に進化しました。同じ画素数(200万画素)までトリミングをしても、Mavic 4 Pro の方が画質を劣化させることなく大きく確認できます。写る範囲は Mavic 3 Pro の方が少し広いですね。

スマートフォンで写真を楽しむ際に必要な最低画素数として、約200万画素になるまで拡大してみました。Mavic 3 Pro と比べて5倍の画素数、1億画素の Mavic 4 Pro では、拡大してトリミングできる耐性に大きな差があります。

わかりやすく比較するため、Mavic 4 Pro の画像と同じくらいに Mavic 3 Pro の画像も拡大して比較してみましょう。同じように画像を切り出すと、細かなディテールや画質の差がはっきりとわかります。
2000万画素から1億画素に進化することで、一般的な空撮はもちろん、点検業務でも使用できるくらい微細な画像を得ることができます。

1億画素もあればとりあえず撮影しておいて、後から編集で好きなように写り方を調整できます。これだけの画素数があれば、細かく調整しながら撮影する手間が省けますね。
2. 中望遠カメラ(70mm)
70mmは、Mavic 3 Pro と同じカメラが搭載されています。便利な5000万画素のカメラで使い勝手は間違いないです。

3. 望遠カメラ(168mm)
望遠カメラの画素数は Mavic 3 Pro の1200万画素から、Mavic 4 Pro では5000万画素に向上し、センサーサイズも1/2インチから1/1.5インチへとサイズアップを遂げています。

広角カメラと同じく、最低画素数(約200万画素)を残して拡大して比較してみましょう。Mavic 3 Pro は1200万画素であるため、画質を維持しようとするとあまり拡大ができませんが、Mavic 4 Pro は元の画像が何か分からなくなるほど拡大できます。

Mavic 3 Pro の画像を Mavic 4 Pro の画像と同じくらいまで拡大してみました。画質も解像感も圧倒的に違います。特にわかりやすいのが、画像の上に写っている石垣です。Mavic 3 Pro ではべた塗りのイラストのような描写になっているのに対し、Mavic 4 Pro は石の素材感が感じられるほど緻密に描写されています。

続いては、装着している DJI Goggle3 に注目してください。

これも同じくらいまで拡大してみると、DJIロゴの掘り込みが Mavic 4 Pro の方が鮮明に確認できます。焦点距離としては168mmですが、トリミングしても良ければ、かなり遠くにある被写体も大きく写すことができるほどの撮影能力を持っています。

その他カメラの機能について
カメラのスペックだけではなく、カメラ機能も大幅に進化しています。進化ポイントは下記の3つがメインです。
1. ロール軸の回転
ロール軸の回転と聞いて「Miniシリーズと変わらないんじゃないか……?」と思った方もいるのではないのでしょうか。なんと今回は360°回転が可能で、回転する角度についても微調整ができます。
そのため簡単にスピンショットができ、被写体の強調や臨場感あふれる映像表現ができます。
2. 上向き70°撮影
従来のDJIドローンの場合、機種による差はありますが上向きでの撮影は平均で40°が限界となっていました。本モデルでは70°の上向き撮影に対応し、暗所でも安定して飛行できるため、橋の下などで行う橋梁点検などでも活躍します。

3. ALL-Intraに対応
All-Intra(オールイントラ)とは、動画のすべてのフレームを個別に圧縮して記録する方式で、編集がスムーズで高画質なのが特徴です。通常の記録方式(Long GOP)は、最初のフレームだけ詳細に保存し、他のフレームは前後の差分だけを記録するため容量は小さくなる反面、編集時には処理負荷がかかりやすくなります。
※なお、ALL-Intraに対応しているのは、クリエイターコンボのみとなります。
送信機も新世代モデルが登場
Mavic 3シリーズで使用できる DJI RC Pro 送信機の後継機である、DJI RC Pro 2 も新登場しました。実際に前モデルと並べてみても分かる通り、デザインが大きく変わっています。

デザイン面だけでなく、機能面でも大きな進化を遂げています。その進化のポイントをまとめました。
・画面の輝度が2000nitに向上
・Mini HDMIから標準のHDMIに差し込み口が変更
・スティックの取り外しが無しで収納が可能
輝度は RC Pro の1000nitから2倍の2000nitまで向上し、屋外での撮影時も画面がより見やすくなりました。

モニターを折りたたむ際にはスティックが自動的に収納される設計のため、ユーザー目線の進化が施された、さらに魅力的な製品となっています。
気になる機体との互換性については、Mavic 4 Pro、Air 3S、Air 3、Mini 4 Pro の4機種に対応しています。
Mavic 4 Pro の飛行性能について
Mavic 4 Pro はカメラ性能だけではなく、飛行性能も向上しています。ここからは前作の Mavic 3 Pro から進化した飛行性能や機能を掘り下げて紹介していきます。
1. 長時間飛行
今回、標準バッテリーは他のドローンにはない51分の長時間飛行が可能です。そのため長時間の撮影が必要な現場でも、バッテリー残量を気にせず安心して使用できます。
2. 低照度検知センサーの搭載
DJI Air 3S に続き、レーザー光を照射し対象物の距離や位置を正確に測るLiDARセンサーを、Mavic 4 Pro も前方に搭載しています。
わずか0.1ルクスの低照度環境でも安定した飛行ができ、GNSSの補足が難しい室内環境でも、RTH(リターントゥーホーム)機能で障害物を回避して、離陸地点へ自動で戻ることできます。

3. DJI O4+対応で伝送距離の向上
Mavic 4 Pro はカメラドローン初のDJI O4+に対応し、Mavic 3 Pro から約2倍の15㎞に向上しました。電波干渉の多い環境でも安定した通信を実現します。
Mavic 4 Proのセット内容
ここまで機体について詳しく説明してきましたが、周辺機器についても簡単にご紹介します。
1. 収納ケース
Fly Moreコンボとクリエイターコンボに付属する DJI Mavic ショルダーバッグは、収納部が大きくなり、これまでのケースと比べてスペースに余裕がうまれました。外側のMAVICのロゴが特別感を演出していますね。

2. バッテリーハブ&アダプター
今回の DJI Mavic 4 Pro パラレル充電ハブは、従来の最大100Wの充電性能を大幅に超える最大240Wを実現し、充電能力が格段に向上しています。
Mavic 3 Pro のバッテリーハブの場合、1本充電するのに70分、3本で210分の時間を要していました。今回登場のバッテリーハブは1本充電するのに50分、3本で110分とさらに短縮され、効率的な運用が可能です。

Mavic 4 Pro にはセキドオリジナルも含めて 6種類のセット がありますが、一番のおすすめは クリエイターコンボ (DJI RC Pro 2付属) + フライトチケット + microSD[256GB] のセットです。
Mavic 4 Pro 512GB クリエイターコンボ (RC Pro 2付属)
+フライトチケット+microSD[256GB]:税込498,960円
・DJI RC Pro 2 と組み合わせて使用したい方
・内蔵ストレージ512GBと256GBのmicroSDで容量を気にせず撮影したい方
・圧縮方式でALL-Intraを使用したい方
・飛行手続きの手間を省きたい方
アクセサリーは後から買い足すことはできますが、ストレージや圧縮方式に関しては購入後の変更や搭載ができません。ぜひ本記事を参考にしていただき、購入をご検討ください。
まとめ
登場するたびに、全ドローンユーザーの注目を一身に集めてきた Mavicシリーズ。最新モデル Mavic 4 Pro も圧倒的な進化を遂げて登場しました。今回ご紹介したポイントの他にも、多くの機能が搭載されています。実際にその凄さをまずは試してみたくありませんか?
5月14日から横浜、大阪、姫路の各エリアにて無料ドローン体験会・販売会を開催しますので、是非こちらにもご参加ください。
DJI認定ストア 東京虎ノ門でも明日の10時より製品の展示・販売を開始します。みなさまのご来店、お待ちしております!